随分遅いアップとなったが、昨年9月のこと。
お誕生月の三人で、ちょっと奮発してウニ尽くしの料理を食べに行くことにした。
予約していただいたのは、すみれさん。
すみれさんがご存じの方がオーナーのお店なのだ。
お店の場所は、四谷のしんみち通り。
場所がわかりにくいので、やきとりの『今井屋』を目印にとのこと。
『今井屋』の前で上を見上げると、控えめな『ウニココ』の看板。
これ看板では、何のお店なのか判断できない。
階段を上ると、オープンと書かれたドア。
ドアをくぐり、更に階段を上る。
でもそこにあるのは名無しのドア。
更に先に進むと、なにやら小さな標識が貼られたドア。
良く見ると、『uni restaurant unico-co』の名前。
恐る恐るドアを開けると、中は白と青のツートンカラーのお店。
でもカウンターを一番奥まで進むと、ウニのショーケース。
ここは、”日本屈指のウニの在庫を誇るウニマニア専門店”。
私達のテーブルには三人分のセットが。
今夜のメンバーの、すみれさん、茶目子さん、そして私の誕生日は乙女座で、六日間隔で並んでいるのだ。
壁のモニターでは、おじさんが若い女性たちとダンスを踊っている。
”UNICO-CO STYLE DANCE PRACTICE”なのだそうだ。
あとでわかったことだが、このおじさんこそがこの店のオーナー、”四谷でウニで世界一を目指す男”、辻田啓伸氏。
辻田さんは、シェフであり、ソムリエでも唎酒師でもあり、そして農家でハーブセラピストもある多才な人物。
テーブル・セッティングが可愛い。
ナプキンのセッティングもお洒落。
ナプキン・リングがまるで指輪のようだ。
飾り皿は千鳥の図柄。
お手拭きの入れ物も面白い。
ガラス製の缶詰、といったフォルム。
モニターでは辻田さんがウニについて熱く語っている。
メンバー三人が揃い、スパークリング・ワインで乾杯。
スパークリング・ワインはボトルで。
イタリア、シチリア州のムルゴが造る、ムルゴ、メトード・クラシコ、2015年。
ムルゴは、ムルゴ男爵が率いるワイナリーで、起源は1800年代に遡る。
ぶどうはエトナ山中腹の畑で栽培されたネレッロ・マスカレーゼ。
18~26ヶ月間の瓶内二次発酵を経てリリースされている。
届いた最初の料理の美しさに感嘆のため息が漏れる。
気仙沼の一夜干し大穴子、自家製の燻製ウニ、ピンクケッパーのソース。
バルサミコが衛星の軌道を描く、青い小宇宙。
穴子は真っ白ふわふわで、軽く燻製をかけたウニの香りが素晴らしい。
小宇宙に散りばめられているのは、白いオリーブオイルパウダー、ピンクペッパー、マスタード。
第二の皿は、白い星雲の中に浮かぶ赤い太陽。
辛口のトマトとストラッチャテッラのソース。
このソースはウンブリア州のソースで、ストラッチャテッラはモッツァレラ・ブッラータの中身だけのチーズ。
バターでソテーされたバフンウニの上にキャビアのトッピング。
これも最高に美味い。
お供はフォカッチャ。
実はお隣のイタリアン、『リストランテ オリヴァヴァ』も辻田シェフの経営。
四谷のウニの専門店、『ウニココ』で、すみれさんと茶目子さんと過ごす楽しい夜は続きます。