六本木のフレンチ、『フィリップ・ミル東京』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
ここはシャンパーニュ、ランスの二つ星シャトー、『レ・クレイエール』の総料理長、フィリップ・ミルが東京に開いたお店。
北海道産天然平目のヴァプール、柑橘の香り、爽やかなシャンパンソース、キャビアと共に。
これは大物の平目だ。
平目にシャンパンソースを合わせるとは、さすがランスに本拠地を置くフィリップ・ミル。
淡白な平目にキャビアの塩味が効いて美味い。
シャンパーニュ、ブルゴーニュのシャルドネのあとは、ボルドーの赤。
メドックのシャトー・オー・モーラック、クリュ・ブルジョワ、2009年。
2009年はブルゴーニュも良いが、ボルドーも好きなヴィンテージ。
カシス、プルーン、スミレ、バラのニュアンス。
果実味とタンニンのバランスが良く、ふくよかでヴォリュームがあり、余韻も長い。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニョン50%、メルロー50%。
濃厚なのでダウンライトの光はわずかに透過。
それでも火の鳥を何とか作り出すことができた。
今度はクローディ・ジョバールのリュリーとモーラックの並行飲み。
北海総知床産蝦夷鹿のロティ、ビーツのスパイラル、ジュ・ソース。
ソースが注ぎ込まれる。
黒トリュフ、ジュ・ソース、そして蝦夷鹿の血の香りが食欲を誘う。
美しい焼き色。
「蝦夷鹿は本当に美味しいわね。今夜も幸せ」と彼女。
「特に今夜のエゾシカは血の香りが素晴らしいね」と私。
強いモーラックは蝦夷鹿にもとても良く合う。
中田支配人が今夜使われている黒トリュフを見せにきてくれた。
フランスの高級食材専門店、ベルオールの黒トリュフだ。
シャトー・オー・モーラックが美味しいので、既に数杯目。
ディジェスティフは貴腐ワイン。
ボルドー、ソーテルヌのシャトー・ラモット・ギニャール、グラン・クリュ、2008年。
ソーテルヌ格付け二級の素晴らしい貴腐ワインだ。
11年の熟成を経て濃厚で円やかな味わい。
完熟したマンゴーや黄桃、ブリオッシュやカカオのニュアンス。
セパージュは、セミヨン90%、ソーヴィニヨン・ブラン5%、ミュスカデル5%。
今度はソーテルヌとメドックの並行飲み。
フロマージュブランのムースと柑橘のマルムラード、カルダモン香るオレンジのソルベ。
おもちゃ箱をひっくり返したような楽しいデセール。
使われている柑橘は、愛媛県産のせとか。
せとかは”みかんの大トロ”と呼ばれる、柔らかく甘くジューシーな品種。
ミニャルディーズも届く。
〆のコーヒーでいっぱいになったお腹を癒す。
中田支配人、椨ソムリエに見送られ、店をあとにする。
ガーデンテラスを地下まで下ると、何時ものプレッセ・プレミアムに向かう。
今夜は時間が遅くサラダの量が減っているが、これだけあれば充分。
彼女の朝食用に幾つか購入。
お腹がいっぱいで少し飲み過ぎたので外を歩きたいとのこと。
ガーデンアーチに出て、散策することに。
ガーデンアーチの左右でイルミネーションの色が異なっている。
ここから外苑東通りに出て帰ることとしよう。
彼女と過ごす六本木の夜は素敵に更けていきました。