日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
福井県ワトム農園 まほうのトマトとボッコンチーニの冷製カッペリーニ、フェンネルとミントの香り。
砂丘で栽培されるワトム農園のトマトはとても美味い。
冷製カッペリーニにボッコンチーニ(ひと口大のモッツアレラ)は良く合う。
前菜ではフェンネルの花が使われていたが、プリモ・ピアットでは葉が使われている。
「フェンネルのフランス語は何なの」と彼女。
「フヌイユだよ」と私。
「イタリア語は」と彼女。
「フィノッキオだよ。そして日本語はウイキョウ」と私。
「そうやってすぐに教えてくれるところが好きよ」と彼女。
各国での呼び名を知っているハーブで良かったと菊池シェフに感謝。
カッペリーニは直ぐに柔らかくなってしまうので、冷製が一番美味しい。
それにしても、かなりのヴォリューム。
辛口の白ワインが良く合うので、どんどんグラスを重ねてしまい、これで三杯目。
飲んでいるワインは、ボルドー、ソーテルヌのクロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2014年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る辛口の白。
焼きたてのオリーブのフォカッチャが届く。
これが美味いのだ。
赤ワインも彼女が好きな銘柄。
ボルドー、フロンサックのシャトー・オー・バレ、2009年。
ドルドーニュ川右岸のフロンサック地区のワインは玉石混交だが、良いワインはサンテミリオンやポムロールに負けない強さを持っている。
シャトー・オー・バレもビロードのような濃厚なタンニンを持つ、素晴らしいフルボディだ。
ぶどうは、メルロー100%。
五島牛もも肉のアロッスト、塩工房つばき窯の天然塩を添えて、旬のお野菜と共に。
綺麗なサシが入った肉は柔らかく旨味が濃厚。
塩工房つばき窯の天然塩は、塩職人の山田等さんが五島灘の海水から作る粗塩。
五島牛には五島の塩。
ミネラルたっぷりで美味しく、これだけでワインが進む。
添えられている旬の野菜は、ズッキーニ、ヤングコーン、ケールとベーコンのソテー。
シャトー・オー・バレが牛肉に良く合って美味いので、既に三杯目。
泡も白も好きな銘柄なので、今夜は飲み過ぎ。
愛知県高香園の抹茶とバニラのセミフレッド、ブラックココアのアクセント、バルサミコでマリネしたアメリカンチェリー。
佐藤支配人がチョコレートソースをかけてくれる。
抹茶チョコレートの上には、チョコレートで作られたてんとう虫。
抹茶とバニラのセミフレッドの上には、またまたフェンネルの花。
周りに配されたアメリカンチェリーはバルサミコでマリネされ、セミフレッドとも良く合って美味い。
〆はコーヒー。
と思ったら、佐藤支配人が再び現れ、「ドルチェにスパークリングをいかがですか」とのこと。
ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ミレジム、2016年を飲むのは五杯目。
ドルチェを食べ終えると、またまた佐藤支配人が「今夜のワインはお好きな物ばかりと伺いましたが、白か赤かもう少しいかがですか」とのこと。
クロ・デ・リュンヌは四杯目。
今夜は、いや、今夜も飲み過ぎ。
人数制限をして座席数は半分以下だが、それでも今の時期に満席は素晴らしい。
佐藤支配人に見送られ、店をあとにする。
三越新館を出ると、雨はやんでいた。
お腹がいっぱいの上に飲み過ぎたので、少し散策することに。
東京都の紋章を持つ獅子像。
北詰の獅子像は吽形。
橋を渡った向こう側、南詰の獅子像は阿形なのだ。
今夜も麒麟像は首都高で覆われた空を見上げている。
早く麒麟に空を返してあげたいものだ。
日本橋を渡り、街灯を振り返る。
まだ夜はそれほど遅くないのだが、人出は少ない。
彼女と過ごす日本橋の夜は素敵に更けていきました。