自粛明け後、初めての日本橋。
今夜は彼女と三越新館の最上階のレストランで待ち合わせ。
外は雨なので地下から直接三越新館に入ることにする。
エレベーター前に立っていると、後ろから誰かが肩をトントン。
驚いて振り向くと、彼女の笑顔。
最上階の10階でエレベーターを降り、店に向かう。
開店時間の10分前なので、店の外のウエイティングスペースで待つことにする。
今夜のお店は、『代官山ASO チェレステ日本橋』。
入り口でこの写真を撮っていると、佐藤支配人が現れ、「高原様、お待ちしておりました」と招き入れてくれる。
まだ開店前なのに、気の利いた対応が嬉しい。
入り口で検温し、手をアルコール消毒する。
レストラン内には高性能のエアーバスターが二基設置されている。
感染予防と言う意味では、このレストラン内が一番安全なようだ。
四人掛けのテーブルには、斜向かいに二人分のセッティングがされている。
奥の個室は8人用だが、4人用として使われている。
サービスカウンターには今夜のワインが並ぶ。
その奥には四人用の個室。
私達のテーブルは四人用の個室を二人で使う設定。
「これなら他のお客さんとは隔離されているので安心ね」と彼女。
今夜は菊池シェフがどんな料理を用意してくれたのかメニューを見るのが楽しみ。
ナプキンには”チェレステ”の刺繍。
最初はスパークリング。
ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ミレジム、2016年。
1898年創業のブルゴーニュのクレマンの元祖と言えるメゾン。
今もスパークリングワイン専業で、ブルゴーニュのクレマンの40%のシェアーを誇っている。
ヴーヴ・アンバルのミレジムは本当に美味い。
特に2016VTはとても果実味が強く、かつ切れ味の良い辛口で好きだ。
ここのパンのお供はホイップバター。
今までは大きな器から掬ってバター皿にドバっと置かれたが、今は感染対策で取り分けられた皿が届く。
何時ものパンも届く。
コースの途中で焼きたてのフォカッチャが出されるのも楽しみ。
鴨のリエットと、アランチーニ。
鴨のリエットはクレマンとベストマッチ。
あっという間に飲み干し、注ぎ足してもらう。
アランチーニ。
下にはトマトのピューレ、上にはスナップエンドウの蔓。
アランチーニの中には、米とフォルマッジオ。
結構お腹にたまるヴォリュームがあるので、クレマンでの酔い防止に役立ちそうだ。
アミューズを食べながら、クレマンは既に三杯目。
アミューズ用に出されたこのカトラリーが遊び心があって好きだ。
農作業用のシャベルとフォークの形をしている。
白ワインは彼女が好きな銘柄。
ボルドー、ソーテルヌの、クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2014年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る、辛口の白。
ファースト・ヴィンテージの2012年に較べ、2014年は熟成が早く、昨年の春にはもう飲み頃を迎えていた。
何時もはソーヴィニヨン・ブランの香りが強いのだが、このボトルはセミヨンを感じ、熟成から来るエステル香も混じっている。
飲んでみると素晴らしい果実味は健在で、複層的な強いボディが印象的。
僅かだが貴腐ぶどうが加えられており、それが味わいに深みを与えている。
マスクメロンとキュウリのガスパチョ、北さつま漁港直送真鯛とさつまたか海老のマリネ、自家製リコッタチーズと山葵のアクセント。
一番下の層は、マスクメロン、キュウリ、キヌアで作られている。
エディブルフラワーの左隣にあるのは、フェンネルの花。
花をバラバラにして振りかけて食べてくださいとのこと。
フェンネルは魚料理に合うハーブなのだ。
一番上の層は、さつまたか海老。
たか海老は薩摩甘海老とも言われ、鹿児島でしかお目にかかれない美味しい海老である。
このトロトロの身が旨味が濃厚で素晴らしい。
そしてたか海老の下には、真鯛。
さすが菊池シェフ、見た目に美しく、食べて美味い料理だ。
ここはカトラリーも良いものが使われている。
ちゃんとホールマークが付いている。
彼女と過ごす素敵なイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』での楽しい夜は続きます。