先日、初めての街の初めての道をウォーキングしていて、今では珍しい像を見付けた。
二宮尊徳(金次郎)の立像だ。
今では教えが時代にそぐわない、ながらスマホを助長するなどの理由で、学校からも撤去が進んだり、座像に置き換えられたりしているそうだ。
私が通った小学校にも、薪を背負って読書をする像があった。
それにしても、学校も何もないこんな小径に何故二宮尊徳像があるのか不思議だ。
とても懐かしく、思わず撮影してしまった。
7月のある休日。
彼女と日本橋三越本館で待ち合わせ。
小雨が降っていたので、地下道を通って三越に向かう。
感染者数が増えているためだろうか、何時もは歩行者が多い地下道にほとんど人の姿が無い。
久し振りの日本橋三越なので、お買い物を兼ねて色々見て歩く。
彼女と合流すると、ランチのお店に向かう。
予約しているお店は、コレド室町テラスの中にある『富錦樹台菜香檳(フージンツリー)』。
『富錦樹台菜香檳』は2014年に台北の松山空港近くの緑豊かな地区に開設されたお店。
”洗練された台湾料理をシャンパンと共にスタイリッシュに楽しめる店”をコンセプトに人気を博し、今では台湾を代表するレストランの一つとなっている。
今までは台湾料理は庶民料理であり高級店は作れないと言われてきたが、その常識を覆す素晴らしい店なのだ。
台湾は好きで、公私合わせて50回以上訪問しているが、このお店にはまだ行ったことが無い。
営業自粛期間に始まったテイクアウトは今も続けているようだ。
グランドメニューのほとんどが持ち帰りが可能であり、価格も店内飲食と同額となっている。
いわゆるランチタイムは過ぎているが、入り口から見渡す限り店内は満席。
入り口で検温と手の消毒を済ませ、店内に歩を進める。
店内は満席に見えたが、私たちは予約しているので、テラスに面した広いテーブルが確保されていた。
感染対策としてテラスに通じるドアが開放されているので、私達のテーブルには風の流れがあり、一層安心感がある。
まずは白ワインのボトルを抜栓。
アルベール・ビショーのドメーヌ・デュ・パヴィヨン、ブルゴーニュ・シャルドネ、2014年。
アルベール・ビショーは1831年創業の名門で、現当主は6代目。
ブルゴーニュ全域に6つの著名なドメーヌを有し、保有する畑は100haに及ぶ。
「以前はドメーヌ・デュ・パヴィヨンを良く飲んだわね。何処でだったかしら」と彼女。
「京橋にあった『メルシャン・サロン』でだよ。あの頃はアルベール・ビショーのグラン・クリュをいっぱい飲んだね」と私。
ドメーヌ・デュ・パヴィヨンがあるのは、コート・ド・ボーヌのポマール。
ムルソー、ヴォルネイ、ポマール、ボーヌ、アロース・コルトンに合わせて17ha以上の畑を保有。
このワインはムルソーの畑の樹齢30年のぶどうから造られている。
グレープフルーツ、ライチ、パッションフルーツの香り。
濃厚な果実味、活き活きとしたミネラル、後味には炒ったナッツのニュアンス、複層的なボディが素晴らしく、余韻も長い。
広域クラスでも、やはりドメーヌ・デュ・パヴィヨンのワインは美味しい。
樹子水蓮。
水蓮菜と木の実の炒め物。
二人に取り分けてもこんなに量がある。
水蓮菜のシャキッとした食感が良く、味付けも素晴らしい。
樹子というのは、ムラサキ科コルディア属の木の実を塩茹でにして醤油などに漬けたもの。
日本には自生しない植物の実だが、台湾ではよく使われる食材。
とても美味いが、中に種があるので要注意。
北海道干貝娃娃菜。
北海道産干し貝柱とベビー白菜。
貝柱に加え、干し海老がたっぷり使われている。
香干肉絲。
細切り豚肉と干し豆腐の炒め。
二人の皿に取り分けるのは私の役目。
二つの取り皿にこれだけ盛っても、まだだいぶ残っている。
やはり中華料理は二人で食べるのはヴォリュームがあって大変だ。
「美味しい。ね、このレシピ、教えてもらいたいわね」と彼女。
ここの料理が気に入ったようで嬉しい。
彼女と過ごす日本橋の楽しい午後は続きます。