代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で開催された、パリ祭のパーティーに彼女と共に参加した素敵な夜の続き。
コート・ノルマンディー産天然舌平目のグラタン仕立て、”フェルナン・ポワン風”。
舌平目のフェルナン・ポワン風はリヨンの『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ。
ポール・ボキューズ氏の師匠、リヨンのピラミッドのオーナーシェフ、フェルナン・ポワン氏に敬意を表して生み出された、フランス料理の古典的名品。
ドーバー・ソールの身は肉厚で旨味が詰まっている。
まさに『ポール・ボキューズ』を代表する料理で、何度食べても美味い。
赤ワインはボルドー、オー・メドックの第3級格付けグラン・クリュ。
シャトー・ラ・ラギューヌ、2006年。
ラ・ラギューヌの歴史は、ボルドーの治水・干拓事業が始まった16世紀に遡る。
ラ・ラギューヌの語源はラテン語で、”水の中央”という意味。
その後オーナーが幾度か変わったが、2000年に現在のオーナーになってからは一層改革が進み、2004年以降は安定して高評価を維持している。
完熟したカシスやプラムのニュアンス。
濃厚な果実味、深い熟成感、こなれたタンニン、確かに上質の左岸ボルドーだ。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、プティ・ヴェルド10%。
野生酵母を用い、フレンチオークの樽(新樽比率50~60%)で18ヶ月間熟成されている。
仔羊のロースト、パセリ風味、そのジュソース。
プロヴァンス風夏野菜のロースト添え。
ジュソースが注がれる。
素晴らしい香りとヴィジュアル。
仔羊の裏に野菜のメダリオンが隠れていた。
夏野菜のローストは別皿で届く。
これがリヨン料理。
リヨンの美食家は本当に大食漢だと思う。
素晴らしい焼き色。
何枚も写真を撮っていると、「まだ食べないの。冷めちゃうわよ」と彼女。
ナイフを入れると、とても柔らかく、肉の旨みが凝縮されている。
仔羊と上質のボルドーの組み合わせに幸せを感じる。
ピーチメルバ、”メゾン ポール・ボキューズ”風。
白桃のコンポートとジュレ、ヴァニラアイスクリーム、ラズベリーのクーリー。
ピーチメルバは、オーギュスト・エスコフィエがオーストラリア人の歌手、ネリー・メルバのために作ったスイーツ。
ピーチメルバの三要素は、白桃のコンポート、ヴァニラアイスクリーム、ラズベリーソース。
大好きなデセールに、彼女も私も今夜は大満足。
いっぱいになったお腹を濃いコーヒーが癒してくれる。
ミニャルディーズは、レモンクリーム、チョコレートブラウニー、赤い果実のタルト。
室内の生花の横には、ウイルスバスター。
感染対策は万全だ。
彼女の化粧直しの間、バーで先﨑支配人や『リストランテASO』の篠﨑支配人と歓談。
そろそろ帰途に就くことにしよう。
レセプションの前で入砂料理長と原田マダムが見送りをしてくれる。
入砂さんに今夜の料理の感想とお礼を述べ、店をあとにする。
お腹がいっぱいなので恵比寿まで歩くことにする。
夜も更け、代官山T-SITEにも人影はない。
T-SITEの向かいには『リストランテASO』が明るく輝く。
『ASO』にも次のディナーの予約を入れてある。
今年のパリ祭も楽しかった。
彼女と過ごす代官山の夜は素敵に更けていきました。