一週間ほど前の、ある日のウォーキング。
空には綺麗な巻積雲。
これは鯖雲、鰯雲、それとも鱗雲・・・、いずれにせよ巻積雲であることに間違いはない。
鯖雲、鰯雲、鱗雲と高積雲の羊雲は、秋の季語。
ここのところの朝夕の冷え込みで黄葉が一挙に進んだ。
この銀杏の樹はすでに黄金色。
大きな欅の木も上部から色付き始めている。
秋も深まり、咲いている花が大きく入れ替わっている。
この季節に一番目立つのは菊の花。
品評会や展覧会に出品される大振りの古典菊や大菊も素晴らしいが、庭先や路傍に咲く小菊やスプレー菊も好きだ。
この菊はグラデーションが美しい。
小さな菊の花を見ていると、伊藤佐千夫の「野菊の墓」を思い出す。
幼い二人の恋心。
初めて山で二人で過ごした時に摘んだ野菊が何色だったのか、小説には書かれていない。
「野菊がよろよろと咲いている」としか記述されていないのだ。
私は勝手に小さな白い菊を想像していたが、研究家によるとそれは淡い紫の”ヨメナ”だったようだ。
これがヨメナ(嫁菜)の花。
花言葉は、”従順”、”隠れた美しさ”。
松田聖子初主演映画の「野菊の墓」ではどんな菊が使われたのか調べてみると、ヨメナはよろよろとして見栄えが良くないので、紫が少し濃い”ノコンギク”が使われたとのこと。
これがノコンギク(野紺菊)。
花言葉は、”守護”、”忘れられない想い”、”長寿と幸福”。
「野菊の墓」に思いを馳せた、楽しいウォーキングでした。
今夜はイタリアのオーガニック・ワインを開栓。
オーガニック・ワインを何本かまとめ買いしたうちの一本。
イタリア、シチリア州のセッテソリ協同組合が造る、イニコン、ネロ・ダーヴォラ、2018年。
D.O.C.格付けワインだ。
セッテソリ協同組合は1965年の設立で、2,100軒の組合員と6,100haの畑を傘下に持つ。
EUのオーガニック認証マークが付いている。
アルコール度数は13%と丁度良い。
ネロ・ダーヴォラにしては色合いは濃厚ではなく、濃い目のルビー色。
香りは控え目で、ブラックチェリーやカシスのアロマ。
口に含むと、液温が低かったこともあり、強い酸が前面に出ており、そのあとに黒果実の果実味が続き、そして強いタンニンが締めくくる。
粘性はそれほどなく、余韻は短い。
ネロ・ダーヴォラにしては綺麗なミディアム・ボディだ。
ぶどうはネロ・ダーヴォラ100%で、ステンレスタンクで6ヶ月間熟成されている。
時として料理との相性を選ぶネロ・ダーヴォラだが、このワインは料理の邪魔をせず、食中酒として楽しめるワインだ。
イタリアのビオワインを味わった、今夜のお家ワインでした。