4月中旬のこと、銀座のお店で彼女と待ち合わせ。
プラチナ通りから並木通りに入り、目的のビルに向かう。
エレベーターホールで上りを待っていると彼女が現れ、一緒に乗り込む。
目的のレストランは、最上階の2フロアー、8階と9階を占めている。
8階でエレベーターを降りると、目の前には『アルジェント』のプレート。
エントランスにはベルナール・ビュフェのカルメン。
フランスの戦後の具象絵画を代表する画家である。
ここには多くのベルナール・ビュフェの絵が飾られている。
彼女が化粧直しをしている間、ウエイティングバーで一休み。
コロナ前はテーブルに案内されるまでここで休む客がいっぱい居たものだが、今夜は私達を入れて二組のみ。
8階には個室が並んでいる。
一つの個室には予約が入っているようで、テーブルセッティングがされている。
この部屋にもベルナール・ビュフェの絵。
彼女が戻り、揃って9階のダイニングルームに案内される。
テーブルには何時ものセッティング。
ここではカトラリーは料理の都度、必要なものが出される。
『アルジェント』は今はフレンチ・レストランだが、その前は『アルジェントASO』という名前でイタリアン・リストランテだった。
テーブルの上にはグラッパのボトル。
背景に見える黒いビルは、シャネル。
今夜のメニューが届く。
鈴木シェフがどんな料理を用意してくれたか楽しみだ。
料理と、それに合わせるペアリング・ワインをチェック。
彼女に求められ、今夜のワインについて簡単に説明する。
最初のグラスはシャンパーニュ。
ドゥラモット、ブリュット、プール・ヒラマツ。
何時も飲んでいるシャンパーニュだが、やはりサロンの姉妹メゾンのドゥラモットは美味い。
木箱が届く。
蓋を開けると中から煙が。
煙を浴びてお爺さんになってしまうのではと一瞬の不安。
桜のチップの素晴らしい香り。
中には三種のサレ。
白エビとクリームチーズとサクランボ。
サクラマスのベニエ。
桜肉のタルタル。
桜のチップの薫香に始まり、サクランボ、サクラマス、桜肉と桜尽くしのサレが季節感を演出する。
彼女と過ごす銀座のフレンチの名店、『アルジェント』での素敵な夜は続きます。