銀座のフレンチ、『アルジェント』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
場所はマロニエ通りと並木通りの角のビルの最上階。
何時ものテーブルは、ダイニングルームの一番奥の窓際。
外には右側にシャネル、左側にカルティエが見える。
シャンパーニュ・ドゥラモットの次は、ロワールの大好きな造り手、アルフォンス・メロのソーヴィニヨン・ブラン。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門で、DRCやイケムと並び、フランスで最高評価の造り手。
サンセール・ブラン、ジェネラシオン・ディズヌフ、2009年。
まさに19代目(ジェネラシオン・ディズヌフ)の当主が造る、ソーヴィニヨン・ブランのフラッグシップ・ワイン。
グレープフルーツも感じるが、熟成からくる完熟した洋梨、パッションフルーツ、ライチの香り。
圧倒的な果実味と熟成感、そしてキンメリジャン土壌由来の強いミネラルと綺麗な酸。
右岸のバロン・ド・エルに比肩しうる、左岸の最高峰だとの感を新たにする。
ぶどう栽培はビオディナミ。
熟成は大樽で、シュール・リーで12ヶ月。
まるで海老の握りのような料理が届く。
キャビア、ホワイトアスパラガス、牡丹海老、リゾット、ビスク。
鈴木シェフの遊び心満載の料理だ。
牡丹海老の上に乗せられたキャビアの塩味が全体の味のバランスを引き締める。
”握り”の後ろには、生と茹でたホワイトアスパラガス。
牡丹海老の下のシャリはリゾット。
牡丹海老の頭と尾はカリッと揚げられているので美味しく完食。
熱々のオリーブのパンが届く。
お供はE.V.オリーブオイル。
スペインのアレクシス・ムニョスが作る、フルーティーグリーン、E.V.オリーヴオイル、ピクアル。
アンダルシア州コルドバのピクアル種100%で作られた、プレミアムE.V.オリーブオイルだ。
二種類目の白ワインは、ロワールのドメーヌ・サン・ニコラ、レ・クルー、フィエフ・ヴァンデアン・ブレム、2018年。
サン・ニコラはロワールで注目のビオディナミの造り手。
バックラベルにはAB、デメテル、ビオディヴァンの三つの認証が付いている。
重厚で複層的な果実味。
果実の甘みと海に面した畑由来の仄かな塩味。
しっかりしたミネラルと強い果実味のバランスも良い。
セパージュはシュナンブラン60%、シャルドネ40%で、発酵には天然酵母が使われている。
鰆、芹、チーマ・ディ・ラーパ。
鰆は身がとても厚い。
チーマ・ディ・ラーパはイタリアの菜の花。
揚げた蕎麦の実の食感が良く、料理の一つのアクセントになっている。
芹のソースのグリーンが鮮やか。
鰆はミキュイで仕上げられ、皮はパリッと身はジューシーで美味い。
4種類目のワインは、赤。
イタリア、ヴェネト州のモンテ・デル・フラが造る、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ、クラッシコ、2015年。
フレンチ・レストランでアマローネが出されるとは珍しい。
甘く濃厚な果実味。
カシス、プルーン、ビターチョコレート、リコリス、シナモンのニュアンス。
強い果実味にマッチしたタンニンはとてもシルキーで心地よい。
ぶどうを陰干しして糖度を高めて仕込み、フランス産オークの樽で24ヶ月以上熟成。
セパージュは、コルヴィーナ・ヴェロネーゼとコルヴィノーネ80%、ロンディネッラ20%。
フォアグラ、味噌、赤紫蘇。
フォアグラ料理としては、驚きのヴィジュアル。
どこにフォアグラがあるのか・・・、わからない。
薄茶色の粒は、味噌をフランベしたもの。
グラスの上には、エディブルフラワーの花園。
蓋を割って落とし、中身と混ぜてお召し上がりくださいとのこと。
混ぜ混ぜしていると、フォアグラが顔を出す。
底には、三つのフォアグラの角切り。
赤紫蘇を使ったソースは複雑な味わいで美味い。
銀座のフレンチの名店、『アルジェント』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。