彼女と代々木上原で待ち合わせると、小田急線に乗って旅に出る。
小田急線で今まで行ったことのある一番遠い駅は、相模大野。
それより先は車でしか行ったことが無いので、車窓の外の深い緑は新鮮。
渋沢駅を過ぎると、新松田駅までの間は四十八瀬川、中津川を右に左にと見ながら列車は進む。
新松田駅に到着。
駅前には箱根登山バスの案内所、そして箱根そばのお店。
朝早く朝食を済ませたので、蕎麦を食べたい誘惑に駆られる。
でも我慢して道を渡り、向かい側にあるJR御殿場線の松田駅へ。
「あれって、ひょっとして富士山なの」と彼女。
「ひょっとしなくても富士山だよ」と私。
冠雪していないと富士山らしくないとのこと。
列車は酒匂川沿いにどんどん進む。
川の向こう側には東名高速。
御殿場にゴルフに行くときは何時も向こう側を走っていたので、御殿場線に乗車するのも初めて。
今回も車で行けば楽なのだが、それではワインを飲めないので電車で旅することにした。
御殿場駅に到着。
箱根乙女口を出ると、急いでタクシーに乗車。
車窓からタクシー乗り場を見た時、二台しか客待ちをしていないことに気が付いたので、彼女を急かして乗り場に向かったのだ。
乗り場に着いた時には一台しかいなかった。
駅から10分余り、目的の場所に着く。
フレンチ・レストラン、『Maison KEI』。
パリの三ツ星レストラン『Restaurant KEI』のオーナーシェフ、小林圭氏と、老舗和菓子舗『とらや』のコラボで、2021年1月30日に誕生したレストラン。
左が『Restaurant KEI』の小林圭シェフ。
右が『Maison KEI』の佐藤充宜シェフ。
2015年から小林シェフの元で修業し、今回『Maison KEI』のシェフに就任。
(写真はH.P.からお借りしました。)
レストランまでの長いアプローチがシックな平屋の建物を引き立てている。
タクシーはレストランの玄関に横付けしてくれたので、タクシーが立ち去った後にアプローチを入り口まで歩いて戻り、撮影。
スタッフがドアを開けて迎え入れてくれる。
レセプションで名前を告げ、検温と手指の消毒を行う。
彼女がお化粧直しをする間、ウェイティングスペースで一休み。
外装も内装も濃いグレーのモノトーン。
生花の鮮やかな彩りが一層映える。
このドアの向こうがダイニングルーム。
天井、床、建具には自然な色調の木がふんだんに用いられている。
ダイニングルームは既に満席なので室内の撮影は控え、H.P.の写真を拝借。
ここには開業当初から来たいと思いながら、外出自粛要請もさることながら、超人気のため予約が取れなかった。
今回はかなり以前の予約受付開始日に何とか席が取れ、訪問に漕ぎ着けた。
予約受付は電話のみで、予約取得後にリダイヤル回数を見ると、68回目で繋がっていた。
テーブルに案内される。
上質のハンドタオルとマスクケース。
乾いた喉をスパークリングのミネラルウォーターで癒す。
ミネラルウォーターはスティルとスパークリング、そしてスパークリングも硬水と軟水から選べる。
私達が選んだのは、ヒルドン・カーボネーテッド。
イギリス南部、ハンプシャー州で採取されている硬水スパークリング・ミネラルウォーター。
ワインリストをもらい、まずは全頁をチェック。
そして選んだ白ワインのボトルは、シャトー・メルシャン、椀子ソーヴィニヨン・ブラン、2019年。
長野県上田市の自社管理畑、椀子ヴィンヤードのソーヴィニヨン・ブランを使って造られたワインだ。
小林シェフは長野県出身なので、長野のワインを選んだのだろうか。
でも、シャルドネには熊本県の菊鹿も掲載されていた。
メルシャンのワイナリーには、勝沼と塩尻を訪問したことがある。
このワインは長野の椀子ヴィンヤードのぶどうを用い、勝沼ワイナリーで醸造されているようだ。
以前、シャトーメルシャンのメーカーズ・ディナーに参加したことがある。
メルシャンの醸造責任者が直接説明してくれ、とても勉強になった。
その時の記事はこちら。
グレープフルーツや青リンゴの香り。
口に含むと、酸味と果実味のバランスが良く、冷涼な気候で栽培されたソーヴィニヨン・ブランを感じさせる。
2019年は天候に恵まれ、豊作だったVTだ。
御殿場のフレンチ、『Maison KEI』で彼女と過ごす素敵な午後は続きます。