2月初旬、彼女と常盤橋のお店で待ち合わせ。
私は三越前でお買い物の後、江戸桜通りを抜け、常盤橋に向かう。
日本銀行本店前から外堀通りを渡ると、日本橋川に至る。
今回渡るのは、日本橋川に架かる車道橋の”常盤橋”。
お隣にある石造りの人道橋が”常磐橋”。
車道橋が”盤”で、人道橋が”磐”なのだ。
この写真は、以前に撮影したもの。
常盤橋の西詰には、渋沢栄一像。
日本橋川に対岸のビルの美しい姿が映る、と言いたいところだが、首都高が邪魔。
地下化工事が完成すれば綺麗になるのだが、それまで私は生きていられるかどうかが問題。
気を取り直して、今夜のお店がある「常盤橋タワー」の「トウキョウ・トーチ・テラス」に向かう。
空にはまだ薄明かりが残っているが、イルミネーションは既に美しく点灯している。
左手には錦鯉が泳ぐ池。
この池は新潟県の小千谷市の協力で運営されている。
それにしても、錦鯉たちは何故石垣に頭をくっつけて並んでいるのだろう。
彼女の希望で予約しているお店は、『羽田市場』。
『羽田市場』は東京駅を中心に、数店舗を展開する魚介料理の人気店。
彼女が和食の店に行きたいというのは極めて珍しいが、TV番組で『羽田市場』を観て興味を持ったのだそうだ。
予約しておいた席は、カウンターの一番端。
ここなら他の席から離れているので、安全に食事を楽しむことが出来る。
カウンターの反対側には、牡蠣などが入れられた水槽。
テーブル上には日本酒のリスト。
15種類の銘酒が記載されている。
でも実際にはその数倍の種類の日本酒が勢揃い。
リストで選ぶよりも、三つ並んだ日本酒の保冷庫から好きな酒を選ぶ方が楽しい。
彼女が到着し、メニューを見て発した最初の言葉は、「ワインが無いんだ」。
急に意気消沈した彼女に羽田市場レモンサワーを勧め、乾杯。
このレモンサワーは甘くなく、彼女も「とても美味しい」と少し明るさを取り戻す。
超速鮮魚盛り合わせ刺身。
とても美しい盛り付けだ。
お共は、醤油、山葵、生姜、塩。
ニザダイ。
ニザダイの刺身とは珍しい。
ニザダイは40cmほどの大きさのスズキ目ニザダイ科の磯魚。
尾びれの付け根に黒い三本線があることから、サンノジとも呼ばれる。
主食は磯の海藻で、その成分の一部が体内で発酵して独特の臭みを持つ。
カマス。
太刀魚炙り。
醤油は刷毛で塗るようだ。
太刀魚は塩で。
身がふわふわで美味い。
カマスは生姜と醤油で。
新鮮な身の歯応えが素晴らしい。
ニザダイは山葵で食べたが撮影忘れ。
熟成させているのだろうか、旨みが濃く臭みが全く無い。
羽田市場レモンサワーを飲み干すと、日本酒に切り替え。
私の酒は、宮城県石巻市の平孝酒造が醸す、日高見 超辛口純米酒。
使用米はひとめぼれ、精米歩合は60%、日本酒度は+11の辛口。
彼女が「私のお酒を選んでね」と言うので、羽根屋を出してもらう。
富山県富山市の富美菊酒造が醸す、羽根屋 吟醸 生詰。
イギリスで開催されたIWC(International Wine Challenge)2020で金賞酒の中から更に選ばれてトロフィーを受賞した酒だ。
使用米は山田錦、精米歩合は60%。
「富山のお酒なのね。また富山にベニズワイガニを食べに行きたいな」と彼女。
コロナ前、2019年の秋に富山に旅した時のことを思い出す。
そう言えば、富山の料理屋さんでも羽根屋を飲んでいる。
その時の記事はこちら。
店長の古内さんが頼まなくてもお水のボトルをさっと出してくれた。
この心遣いが嬉しい。
常盤橋の『羽田市場』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。