7月下旬のこと、大好きなフレンチのお店にディナーの予約を入れておいた。
六本木で彼女と待ち合わせると、車でお店に向かう。
今夜のお店は西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
エントランスを入り、二階のレセプションに続く白大理石の階段を上る。
階段室は吹き抜けになっていて、今日は良い天気なので屋根が開けられている。
レセプションには季節の生花。
毎週、花が入れ替わる。
仄かにピンクが入ったカラーが美しい。
彼女が化粧直しをしている間、レセプションのロビーで待つ。
目の前にはシャルル・シャプランの絵画、「A Song Silenced」。
この絵が好きだ。
彼女が戻ると、スタッフに案内され、レトロなエレベーターで三階のメインダイニングに進む。
三階でエレベーターを出ると、ここにも美しい生花。
田中ソムリエールと二人のスタッフに迎えられ、今夜のテーブルに案内される。
私達の席は、階段室の吹き抜けに面した窓の前の明るいテーブル。
今夜の内木場シェフの料理が楽しみだ。
今夜は長崎県五島列島の海の幸山の幸を味わうコース。
テーマは、”循環”。
従来は捨ててしまっていたものを再利用し、新たな価値を創造する試み。
”椿やさい”を中心に、五島列島の食材をふんだんに取り入れたコース料理なのだ。
”椿やさい”とは、椿油の搾りかすを肥料として栽培された五島列島の野菜。
田中ソムリエールがシャンパーニュを注いでくれる。
ドゥラモット、シャンパーニュ、ブリュット、プール・ヒラマツ。
サロンの姉妹メゾンのシャンパーニュ。
撮影前に半分飲んでしまった。
アミューズ・ブッシュは、椿トマトの冷製コンソメ。
パリっと焼かれたパイの上には、本来は廃棄される五島の小魚を使ったリエット、キャビア、エディブルフラワー。
何度も丁寧に裏ごしをして透明になったトマトジュースには、魚醤の”五島の醤”が加えられ、表面にはE.V.オリーブオイルが浮かべられている。
アミューズに合わせ、シャンパーニュが進む。
パンとバターが届く。
バターが新しくなった。
マスカルポーネと鹿児島の塩を加えたバター。
この塩は内木場シェフの故郷の鹿児島で、シェフの友人が造る天然塩。
西麻布の大好きなフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。