『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』でフルコースのフレンチとワインを楽しんだ後、有楽町の『NOMUNO』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
スパークリングワインの次は、日本ワインの白を見付けたので飲むことにする。
シャトー・メルシャン、萌黄(もえぎ)、2021年。
ぶどうは、シャルドネと甲州。
シャルドネは長野県と福島県産、甲州は山梨県産。
柑橘系の爽やかな香り。
優しい果実味と酸、和食に良く合う白だ。
続いては、ニュージーランドのオーバーストーン、マールボロ、ソーヴィニヨン・ブラン、2021年。
マールボロのソーヴィニヨン・ブランらしく、柑橘系の白い花の香がふわりと漂う。
こちらは赤ワインのコーナー。
彼女がピノ・ノワールを飲みたいというのでグラスに注ぐ。
でもよく見ると、フランスのピノではなく、驚いたことにドイツのピノ。
ラインラント・ファルツのジョセフ・ドラーテンが造る、ピノ・ノワール、2021年。
ドイツであればシュペートブルグンダーと表記されるはずだが、これは輸出用のエチケットなのだろうか。
続いては、イタリアのオーガニックワインを飲むことにする。
プーリア州のアマストゥオーラが造る、アマ・ロッソ・プーリア、2018年。
しっかりした果実味を持つフル・ボディで、アルコール度数は14%と高い。
ぶどうはプーリア州では珍しい、メルロー100%。
EUのオーガニックの認証マーク、ユーロリーフが付いている。
続いては、アルゼンチンのカサ・モンテスが造る、アンパカーマ、マルベック、2021年。
思ったほど濃くはないが、綺麗なバランスのミディアム・ボディ。
アメリカのジンファンデルも飲んでみる。
カリフォルニアのドン・セバスチャーニ&サンズが造る、ペッパーウッド・グローヴ、オールド・ヴァイン・ジンファンデル、NV。
ブラックベリーやダークチェリーなどの黒系果実の香りに樽由来のヴァニラ香。
ミディアム・ボディのジンファンデルだが、アルコール度数は14.5%と高い。
セパージュは、ジンファンデル90%、プティ・シラー5%、テンプラニーリョ3%、メルロー2%。
今度はドイツ語表記のピノ・ノワール。
ロバート・ヴァイル・ジュニア、シュペートブルグンダー、2019年。
ロバート・ヴァイルは1868年にラインガウで創業した名門で、ドイツのワイン評価誌で最高評価を得ている造り手。
1988年からサントリーの傘下に入っている。
これはロバート・ヴァイルが手掛ける人気のジュニア・シリーズの一つ。
赤い果実のニュアンスを持つ、綺麗なバランスのミディアム・ボディ。
飲むワインは、とうとう8種類目。
オーストラリア、南オーストラリア州のワインインクが造る、ワイン・メン・オブ・ゴッサム、シラーズ、2019年。
ユニークなワイン名とエチケットだが、これはイギリス、ノッティンガム地方の村、ゴッサムの逸話、”ゴッサムの賢者(Wise men of Gotham)”をもじったもの。
税金を逃れるため、村人全員が馬鹿者のふりをしたというお話。
”Wise men of Gotham”が、”Wine men of Gotham”になっている。
このワイナリー、ちゃんと納税しているのだろうか。
南オーストラリア州のシラーズは好きだ。
黒果実の凝縮感、バラやスパイスのニュアンスを持つ、強いボディー。
このワインを飲んで賢人になれるのであれば嬉しい限りだ。
9種類目のワインは、南アフリカ、ロバートソンのアシュトン・ワイナリーが造る、カベルネ・ソーヴィニヨン、2019年。
黒果実の香り。
豊かな果実味と程よいタンニン、樽のニュアンスも心地よい。
フレンチオークの新樽で8ヶ月間熟成されているのだそうだ。
『NOMUNO』の運営会社、株式会社ノムノの青木執行役員が来られていたので、ワインの話しに花が咲く。
青木さんは客として『NOMUNO』を訪れているうちにすっかり気に入ってしまい、とうとう入社してしまったとのこと。
昨今のワインの急激な値上がりで、このシステムを維持するのは大変なのだそうだ。
話が弾み、この価格を維持してくれていることへの応援を兼ねて長居をしてしまう。
青木さんに見送られ、店をあとにする。
今夜も『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』と『NOMUNO』をハシゴして飲み過ぎてしまった。
彼女と過ごす銀座の夜は楽しく更けていきました。