3月のこと、八重洲のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 大丸東京』で開催された”ポール・ボキューズ15周年記念パーティー”で、ちぃさんと過ごす素敵な夜の続き。
スパークリング・ロゼ、白を飲んだ後は、オレンジワイン。
スッド・ウエスト、カオールのマス・デル・ペリエが造る、スキン・コンタクト。
マス・デル・ペリエはカオール近郊で5代続く家族経営のドメーヌ。
ぶどう栽培にビオロジック、ビオディナミを取り入れ、エコセール、デメテール、ビオディヴァンの認証を取得している。
バックラベルにはフランス農務省のABマーク、EUのユーロリーフが付いている
こうして白ワインと並べてみると、色の違いがよくわかる。
ぶどうはグロ・マンサン、ユニ・ブラン、ミュスカ・ダレクサンドル。
自然酵母を用い、三ヶ月間という長い時間をかけて発酵とマセラシオンが行われている。
白ワインは、ラングドック・ルーション、コート・カタランのコンソレーション・ワインズが造る、ジュリエット、2021年。
ポワソンは、オマール海老のブイヤベース。
オマール海老の他に、鰆、烏賊、ムール貝。
濃厚なスープが美味い。
オレンジワインが良く合い、二杯目。
途中からはアイオリソースを加えて味変。
アイオリソースを加えて食べるのは、ブイヤベースの正統派の食べ方。
テーブルの近くにワゴンが出され、鈴木シェフが焼きあがった仔羊を切り分け始める。
ヴィアンド用に赤ワインが出される。
スッド・ウエストのマディランの帝王、アラン・ブリュモンが造る、シャトー・ブースカッセ、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2007年。
アラン・ブリュモンと言えば、地ぶどうのタナを世界レベルにまで発展させた人物。
その功績に対し、フランス国家最高勲章、レジオン・ドヌールが授与されている。
このシャトー・ブースカッセのセパージュも、タナ95%、カベルネ・フラン5%と、タナ中心。
アルコール度数は14%と強め。
赤ワインでも乾杯。
完熟したプラムやカシス、ブラックベリーの香り。
濃厚な果実味と強いタンニン、そしてビタ―チョコレート、シガー、なめし皮などのニュアンスと長い余韻。
トム・クルーズがアラン・ブリュモンのワインを買いに自家用機で飛んできたことでも有名になったが、トムは強いワインが好きなようだ。
仔羊が次々と皿に盛られ、テーブルに届けられる。
ウェールズ産仔羊のロティ、赤パプリカとオリーブのクロケット。
ジュソースが掛けられて完成。
素晴らしいヴィジュアルにテンションが上がる。
ロティされたのは、雄の仔羊の脚。
ブルーレアの焼き加減が素晴らしく美味い。
肉を食べ終えると、「もう少し如何ですか」と聞かれたので、「お願いします」と答えたら、少しどころか最初と同じ大きさの肉が届いた。
シャトー・ブースカッセのグラスを飲み干すと、今度はオレンジワインを合わせてみる。
でもやはり赤が合うので、シャトー・ブースカッセも飲むことにする。
グラスにたっぷり注いでくれるのは嬉しいが、今夜は飲み過ぎ。
食後はいっぱいになったお腹を熱いコーヒーが癒してくれる。
でもよく考えると、デセールの前にコーヒーが出るとは珍しい。
デセールが届く。
青リンゴとレモンのティラミス、ヴェネツィア風。
たっぷりのマスカルポーネが嬉しい。
一番上に振り掛けられている濃い緑は、ライムの皮。
中には青リンゴ、蜂蜜とレモンの風味が心地良い。
私のデセールを食べ終えると、スイーツが苦手なちぃさんから食べきれないティラミスが回ってくる。
ちぃさんは一口しか食べていない。
食べ過ぎではあるが、美味しく完食。
パーティーの〆には中谷総料理長を始め、『ポール・ボキューズ』各店のシェフが並び、ご挨拶。
ダイニングルームが真ん中の厨房を囲む形でコの字型なので、私達の席からはほとんど見えない。
席を立つと、ずらりと並んだ支配人とシェフに見送られ、店をあとにする。
今夜も美味しく素晴らしいパーティーだった。
美味しい食事のあとに化粧室の写真で恐縮だが、食後はこの景色を眺めながら用を足すのは気持ちが良い。
ちぃさんと過ごす、八重洲の楽しい夜でした。