外は40℃を超えているので、涼しいホテル内で夕食をとることにする。
先程散策した中庭を望むラウンジに席をとる。
他にレストランが三つあるが、ここに好きな料理を運んでもらって食べる方が楽しいのだ。
まずはモンテレーに敬意を表し、地元の老舗企業、カルタ・ブランカのビールを飲む。
カルタ・ブランカとは、白い手紙という意味。
成人指定の映画みたいな名前だが、大手ビール・メーカー、クアゥテモッテ・モクテスーマ社の製品。
今回飲んだのはドス・エキス・スパシャル・ラガーだが、このアンバーも美味い。
メキシコ・ビールには、爽快な飲み口のラガーと、強く濃いダーク・ビアの両方が揃っているので嬉しい。
前菜はサラダ・・・を注文したが、野菜が見えない位に鶏の胸肉とチーズが覆っている。
むむ、メインまで注文してしまったがどうしよう。
でも、ビールが美味いのでついつい口に運んでしまう。
ビールばかりではお腹がいっぱいになってしまうので、ワインに切り替え。
メキシコ・ワインの歴史は古く、スペイン征服により新世界最古のワイン産地となった。
1520年代にスペインのヘルナンド・コルテス総督が農園主にインディアン奴隷一人につき毎年10本のぶどうの樹を植えるように命じたことがその始まり。
そして今夜のワインの造り手、カーサ・マデロは、南北アメリカ大陸最初のワイナリーで、創業は何と1597年。
私が今居るメキシコ北東部の街、モンテレーの西220kmにあるメキシコ・ワインの聖地、パラス・ヴァレーにワイナリーはある。
標高1500mの高地にある自社畑は420ha。
このワイン、カーサ・マデロ 3V、2012年は日本では見たことが無いが、とても濃厚なフル・ボディ。
色合いも濃厚な深紅。
3Vとは3つのセパージュを指しているようで、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、テンプラニーリョが等分に使われている。
国際品種に加え、スペインを代表する地ぶどうが使われているのがメキシコらしい。
2012年と若いので、コルクは綺麗なまま。
コルクにも創業年を示す1597の数字が刻印されている。
レアで注文したが、明らかに焼き過ぎ。
でも、肉の旨味がしっかりとあり、赤ワインにも良く合う。
メキシコ、モンテレーでの楽しく美味しい夜でした。