今夜は彼女と銀座で待ち合わせ。
待ち合わせ場所は、二人が大好きな『ブラッスリー・ポールボキューズ』。
何時もの通り私が先に着き、彼女の到着を待つ。
彼女が到着すると席を立ち、彼女の為に椅子を引く。
「ありがとう」とにっこり笑って彼女が席に着く。
この笑顔が好きだ。
ソムリエの大友さんとシェフの木下さんによる、今夜のワインと料理の説明が始まった。
このワインにどんな料理を合わせるか、説明はとても興味深い。
だから、ひらまつのワインと創作料理の会は大好きなのだ。
アペリティフ・メゾン、ペーシュ・ド・ヴィーニュ。
赤桃のリキュールとジュースに、クレマン・ド・ブルゴーニュを加えて造ったオリジナルのアペリティフなのだ。
ほんのりとピンクがかり、甘い桃の香り。
それでいて口に含むと、甘い桃の味わいの後はきゅっと締まった辛口。
何時ものアペリティフ・メゾンにはフルーツ・ジュースが使われているので甘みが残るが、今夜はすっきりとした辛口になっている。
そのためかどんどん飲み進んでしまい、三杯もグラスを空けてしまった。
アペリティフのベースに使っているのは、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2012年。
もう何度もご紹介している、ひらまつの定番スパークリング。
アンバル未亡人がスパークリング・ワイン専門のメゾンを設立したのは1898年。
シャンパーニュ製法で造られたクレマン・ド・ブルゴーニュの元祖といえるメゾンである。
ひらまつではこの高品質のクレマンを、惜しげもなくアペリティフ・メゾンに使っているのだ。
アペリティフ・メゾンを作るために今夜使われたリキュールは、何時もの造り手とは異なる。
何時もはフランスの天才的フルーツ・リキュールの造り手、ジャン・ポール・メッテのものを使用しているが、今夜のリキュールはエドモン・ブリオッテ。
ディジョンに本拠地を置く、1836年創業の歴史あるリキュール・メーカーである。
クレーム・ド・ペーシュ・ド・ヴィーニュは、露地栽培の赤桃を使用した、濃厚な桃のリキュールなのだそうだ。
アペリティフに合わせた前菜は、ガトーに見立てたフロマージュブランとスモークサーモンのムース、プティポワのサラダを添えて。
繊細な造りに大胆な味わい。
香りの強いアペリティフにも負けず、そして良く合う。
彼女と過ごす銀座の『ブラッスリー・ポールボキューズ』の楽しい夜の続きは、また明日。