赤坂の『あじる亭カリフォルニア』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
ドメーヌ・カーネロス、ブリュット、2010年、ダリオッシュ、ヴィオニエ、ナパ・ヴァレー、2012年と飲み進んだ後は、やはり持ち込みの赤を飲むことにする。
コルクは、到着時に抜栓しておいた。
ハイツ・ワイン・セラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ナパ・ヴァレー、2008年。
ナパを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの一つであり、パリスの審判でも高く評価されたワインである。
「神の雫に」も登場し、日本でも知名度が上がっている。
このボトルは、10年経ったら飲もうと思っていたが、待ちきれなくなり、7年で抜栓してしまった。
実は試飲を別にすれば、ハイツを飲むのは初めてなのだ。
最初口に含んだ時には、その優しい味に、あれ、と思ってしまった。
もっと強烈なボディのカベルネを想像していたのだ。
ところが、後からじわじわと果実味が溢れてきて、強い凝縮感が出てきた。
1時間前に抜栓したのではたりなかったようで、デキャンタージュしても良かったようだ。
とても洗練されたカベルネなので、パリスの審判でもフランスの銘醸ワインに伍して上位に輝いた理由がわかった。
このボトルは、1昨年に彼女とナパを旅した時にハイツに寄り、購入したもの。
結構良い価格だが、オーパス・ワンやダリオッシュに比べれば良心的な価格と言える。
ハイツ・ワイン・セラーズの試飲ルームはとても小さく、寒い冬だったので、薪が燃える暖炉が心地よかったのを覚えている。
そして驚いたのは、ぶどう畑の土の柔らかさ。
やはり土作り、ぶどう作りがワインの基本であると感じたワイナリーだった。
2008年ヴィンテージなので、劣化は全く無い。
香りもとても良い。
ハイツのトレードマークが綺麗に刻印されている。
ワイナリーで直接購入し、自分で持ち帰り自分のセラーで寝かせておいたワインは、安心して飲むことができる。
たっぷりのタリアータに、ルッコラ、パルミジャーノ、フルーツ・トマトが載せられている。
強い赤ワインに最適な料理だ。
タリアータは彼女も私も好きなので、イタリアンでは良く食べている。
二人の皿に取り分けるのは私の役目。
肉がルッコラやチーズの下にあるので、取り分けるのには一工夫が必要。
肉が下になるように、そして少し見えるように配置する。
もうお腹はいっぱいなのだが、まだ残っているワインとともに美味しく完食。
何時も思うのだが、彼女が食べる量は私より少し少ない程度。
かなりの健啖家なのだが、どうすればこんなに良いボディ・ラインを維持できるのか本当に不思議だ。
それでも私はやっと食べ終えたという状態。
彼女を見ると、美味しそうに食べている。
やはり女性にとってデザートは別腹なのかもしれない。
『あじる亭カリフォルニア』のスタッフは一人一人がプロフェッショナルで、気持ちの良い対応をしてくれる。
まさにカリフォルニア・ワイン(オレゴンやワシントンが増えているので、本当はアメリカ・ワインと言うべきなのだろう)の聖地と言えるお店である。
彼女と過ごす赤坂の楽しい夜は、素敵に更けていきました。