今夜は彼女と遅い時間に銀座で待ち合わせ。
彼女が夜に予定があったので、終わるまで銀座で時間を潰し、待ち合わせることにしたのだ。
目的のお店は、『バー・シェイク』。
彼との出会いは、銀座資生堂の最上階のバー、『ファロ』。
その後、古田土さんが独立してからも彼の店に時々顔を出している。
時々と言っても、実際には年に1~2度。
それでいてボトルを三本もキープしているのだから迷惑な話だと思っている。
彼女は私の影響でアイラ・モルトが好きになってしまった。
そして彼女がアイラを飲みたいと言うと、ここに来るのだ。
やっと彼女の先約が終わり、落ち合うと、『バー・シェイク』のドアをくぐる。
予約してあったので、私のボトル達がカウンター上で迎えてくれる。
タリスカー25年、ポート・エレンのフィフス・リリースと、セヴンス・リリース。
今夜はキッシュ・ロレーヌ。
ここはバーだが、食べ物も美味い。
一人の時は、パスタを作ってもらったりしているが、これが美味いのだ。
ポート・エレンはアイラ島にある、いや、あった蒸留所。
スコットランドのウイスキー産地は、一般的には、ハイランド、ローランド、スペイサイド、キャンベルタウン、アイランズ、アイラに区分されている。
この中で、アイランズとアイラはどちらも島にある蒸留所だが、スカイ島やジュラ島には蒸留所が一つずつしか無いのに対し、アイラ島には八つもある(もうすぐ九つになる)ので独立したモルトとして分類されているのだ。
どちらも島のモルトなので、ピートの中に海藻が混じっており、強いヨード香が特徴である。
彼女の表現を借りれば、子供の頃に薬箱に鼻を突っ込んだ時の香り、なのだ。
ポート・エレンは1983年5月に蒸留部門の操業を停止してしまった。
そして残っていた樽を毎年一つずつボトリングし、リリースしている。
その五番目のリリースがこのボトルで、1979年に蒸留され、25年物として2004年にボトリングされている。
つまり、今年で蒸留後36年経っているボトルだ。
ボトリング本数は、5,280本。
世界中で人気の高いポートエレンが一年に5,000本前後しかリリースされないのだから、価格は高騰の一途をたどっている。
私はセカンド、サード、フォース、フィフス、シックスス、セヴンス、そしてエイスまでは何とか購入したが、ナインス以降は高過ぎて購入を控えてしまった。
シングル・カスクなので、リリース毎にアルコール度数も味わいも微妙に異なっているのが楽しい。
その中でも、フィフス・リリースは香りもアルコール度数も強い。
アルコール度数は、57.4%もあるのだ。
銀座のバー、『シェイク』で彼女と過ごす素敵な夜の続きは、また明日。