ラクのことをラキと表記した読み物を時々見かける。
これはトルコ語のアルファベットを知らないために起こるミスで、トプカプ宮殿のことをトプカピと読むのと同じ間違いである。
スペルを良く見ると、最後の”i”と思しき文字には、上に点が付いていない。
この文字はトルコ語では”イ”ではなく、”ウ”と発音するのだ。
因みに、トプカプとは”大砲門”という意味。
私はトルコ、特にイスタンブールが大好きで、今まで39回旅している。
トルコでは、昔の日本と同じく、以前はタバコ、塩、アルコールは専売制だった。
その専売を担当していたのが、TEKELである。
その後専売制は廃止され、TEKELも国営企業の民営化の流れの中で外資に売却されている。
これがトルコで羊料理を食べる時に良く合うのだ。
敢えて羊料理と書いたが、ラム料理ほど優しい料理ではなく、かなり臭いきつめのマトン料理に良く合うのだ。
私は臭いのきついマトン料理も好きで、イランでも毎日マトンを食べて平気だった。
ボトルの裏面には、輸入シールが無い。
イスタンブールで購入し、ハンドキャリーで持って帰ったので税金納入シールが無いのだ。
海外に旅すると、帰りにはスーツケースに8本くらいはワインや珍しいスピリッツを入れている。
そのために、どのスーツケースにもボトル梱包材を常備している。
ラクは、グラスに注ぐと透明。
これだとジンや樽熟成していないラムと変わりが無い。
でも、香りは特別だ。
アニスまたはアニシード、日本語だとセイヨウウイキョウの香りがとても強い。
ボトルには、グレープとアニシードで造ったと書かれている。
ラクを入れたグラスに氷を入れ、少量の水を加えると驚くことなかれ、一瞬のうちに乳白色に変わるのだ。
まるで乳酸菌飲料のようだが、飲むと強いアニスの香と味、そして強いアルコール感のあるスピリッツである。
同様の酒は、他の国にもある。
ギリシャのウゾや、フランスのペルノー、アブサンも同じ種類のスピリッツである。
遥かボスフォラス海峡を行き交う船を思い浮かべながら飲んだ、トルコの懐かしい味でした。