先月のこと、彼女と丸ビルで待ち合わせ。
何時もの通り、待ち合わせ時間より早く着いたので、1階のイベント・スペースに立ち寄った。
丁度、イギリスのフード・マーケットが開催されていた。
初めて訪れた海外の国がイギリスで、学生時代にロンドン大学のサマースクールに参加したこともあるので、イギリスは好きな国だ。
多くのイギリス食品のブースが設けられている。
好きなアーマッド・ティーも出店している。
「ストロベリー・センセーションが好きです」と私。
「ストロベリー・フレーバーの紅茶は日本ではほとんど扱っていないのですが」とお店の方。
何時も海外で買っていることがバレてしまった。
これがアーマッド・ティー。
色々なフレーバーがあり各種試してみたが、ストロベリー・センセーションとレモン&ライム・ツイストが美味しい。
新発売のミニ・コンパーティブルも展示されている。
ミニは好きな車で、当時ミニを取扱っていた日英自動車で真剣に購入を考えたことがある。
でもその時は何故か、同じく日英が輸入していた大型車のビュイック・スカイラークを買ってしまった。
これはニュー・モデルの5ドア―。
ミニとは言っても、車内空間は結構広い。
米国人の友人が持っているので何度か乗せてもらったことがあるが、大柄な彼が乗っても窮屈感は無い。
時間が近付いたので、丸ビルの35階に上る。
今日は雨模様なので、夕方の皇居は鉛色に染まっている。
今夜の待ち合わせ場所は、フレンチの『サンス・エ・サヴール』。
フランスで最年少で三ツ星を獲得し、以来20年間にわたって星を維持し続ける双子のシェフ、ジャック&ローラン・プルセル兄弟の東京店。
開店と同時に入店したので、広いレストラン内はがらんとしている。
でも、30分もすると客の賑やかな話声で満たされてしまう。
プルセル兄弟の料理は、フレンチといっても南仏料理なので、地中海料理やイタリアンの要素がふんだんに取り入れられている。
まさに南仏の風を感じる爽やかな料理なのだ。
彼女が到着し、席を立って迎える。
すぐにソムリエの石井さんが今夜のアペリティフ、キール・ロワイヤルを届けてくれた。
青森カシスの生のジュースを、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年で割って作られている。
アミューズは、この玉手箱。
三種のアミューズをアペリティフと共に味わう。
最初の前菜は、初夏の海の幸、羅臼産水ダコ、島原産車海老、土佐産初カツオ。
西瓜とトマトの冷たいミネストローネ、フランス産キャビアとライムのクリームを添えて。
一つの皿の中に、初夏の海の幸、山の幸が盛り込まれた一品。
文句なしに美味い。
白ワインは、ドメーヌ・アラン・ブリュモンのシャトー・モンテュス・ブラン、2009年。
アラン・ブリュモンは、スッド・ウエスト、マディランの帝王と呼ばれる著名な造り手。
彼のワインは好きで、彼のワインだけを集めてワイン会を開いたこともある。
⇒ マタギ料理とスッド・ウエストの出会いの会、ニコ・チェルシー、茅場町
(ニコ・チェルシーは本年6月に神楽坂に移転しています。)
熟成が進み、淡い琥珀色。
強い熟成感、バター、炒ったナッツ、トースト、ブリオッシュのニュアンス。
セパージュは、プティ・クルビュ80%、プティ・マンサン20%。
王者の風格を感じる素晴らしいワインだ。
熱々のパンも届く。
面白いことに、パンのお供はバターではなくE.V.オリーブオイル。
これも南仏らしい。
二品目の前菜は、北海道宗谷産殻付き帆立貝のオーブン焼き、レモングラスの香りと共に。
埼玉県小川町から届いた有機野菜と伊豆修善寺産古代黒米のリゾット。
殻が熱く焼けているので、手袋をしたスタッフが針金を外して殻を開けてくれる。
素晴らしい香りがふわりと立ち昇る。
大きな帆立だ。
フランスの三ツ星フレンチの東京店、『サンス・エ・サヴール』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。