茅場町にあったジビエ料理のお店、『ニコ・チェルシー』が神楽坂に移転した。
ということで先月下旬のこと、挨拶を兼ねて新しくなったお店を訪問。
神楽坂では、週末に予定されている神楽坂まつりの準備が着々と進められている。
神楽坂通り沿いには、ずらりと出店が並ぶようだ。
毘沙門天も飾り付けられ、街は華やいだ雰囲気。
そんな神楽坂通りから、毘沙門天の向かい側にあるこの狭い路地に入る。
人一人通るのがやっとの幅で、すれ違う時は横向きにならなければならない。
進んでも進んでも店に行き着かず、おかしいなと思ったところで、ずっと先に、『ニコ・チェルシー』と書かれたトレードマークの赤い看板を見付けた。
住宅1軒をそのまま店に改造しており、1階にはオープンキッチンとカウンターとワイン樽のテーブルが三つ。
2階には個室があるようだ。
「この樽は茅場町から持ってきたの?」と私。
「はい、一切合切持ってきました」と顔馴染みのスタッフ。
スタッフも調度品も茅場町のままで、初めてのお店だがとても居心地が良い雰囲気だ。
グラス・シャンパーニュを飲もうと思ったが、ワインのメニューはガラっと変わっていて、グラスの泡は日本ワインのみ。
京都府の京丹波町にある丹波ワインが造る、てぐみ、デラウェア、2017年。
無濾過でボトリングされた、発泡性ワイン。
最初は手で汲んでボトリングをしていたことから、”てぐみ”の名が付けられた。
最初の皿は、ジビエ屋のパテ。
猪、鹿、鴨等が使われているそうだ。
濃厚で美味い。
粒マスタードが良く合う。
コペルト代わりの自家製パン。
シンプルな味がジビエ料理には合う。
茅場町の店と同じく、ここでもワインは納戸のような小部屋で自分で選ぶシステム。
「ワインを選んでくるね」と言って立ち上がると、「私も行く」と彼女。
とても狭い涼しい部屋に二人で入って選ぶのも楽しい。
何故かワインセラーの中に、熊の頭。
ワインの品揃えが大きく変わり、日本ワイン、ビオワインが増えている。
高価なアンリ・ジローのシャンパーニュやジュヴレ・シャンベルタンもあるが、全体的には前の店と同じ価格帯のワインが多い。
グラスで飲んだてぐみのボトルもある。
下部の棚は薄暗いので、ピントが合わない。
白はヴィオニエを見付けたので、席にお持ち帰り。
ラングドック・ルーションの、モンターニュ・ノワール、ヴィオニエ、2016年。
グレープフルーツや青リンゴの華やかな香り。
甘い果実味を感じるが、キリリと引き締まった辛口。
こんな気軽に飲めるヴィオニエも良いものだ。
前菜は5種を盛ってもらった。
兎と根セロリのコールスロー。
これは前のお店でも何時も食べていたメニュー。
兎のリエット。
パンに塗って食べると美味い。
青野菜のラタトゥイユ。
初めて食べるが、なかなか美味い。
鹿とクルミのぽてさら。
これも好きなメニュー。
季節野菜のピクルス。
目の前にシェフが居るので、色々質問したり説明を聞きながら食べることが出来るのが楽しい。
神楽坂に移転したジビエの名店、またはマタギ料理の名店、『ニコ・チェルシー』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。