西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で友人達と過ごす楽しいディナー会の続き。
ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュのミレジムを飲んだあとは、サンセールの白。
アルフォンス・メロが造る、サンセール、ラ・ムシエール、2010年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門で、サンセール最大の造り手。
ラ・ムシエールはサンセールの丘の頂上部の南から南西向きに広がる、シレックス土壌に恵まれた34haの最上の畑である。
柑橘系の香りに、熟成からくる微かなエステル香が心地良い。
しっかりとした果実味、深い熟成感、そして豊かなミネラル感。
何度飲んでも、ラ・ムシエールは素晴らしい。
ビーツ、ジャガイモ、ニンジンのマセドワーヌ、タスマニアサーモンのマリネ。
マセドワーヌは”マケドニアの”という意味で、さいの目切りにした野菜や果物の寄せ合わせのこと。
イクラは柳原料理長が自分で漬け込んだもので、昨年末から色々な前菜に添えられている。
二種類目の白ワインはラングドック・ルーション地方のドメーヌ・ゴビーが造る、コート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2009年。
ドメーヌ・ゴビーは人気のスター・ドメーヌ。
40haの畑はスペイン国境に近い標高の高い場所にあり、オークの森や草原に囲まれた豊かな自然の中にある。
ぶどう栽培には化学農薬や化学肥料は一切使用せず、自然との共生を重視している。
豊かな果実香。
アカシアの花、洋梨、パッションフルーツ、ハチミツ、炒った麦の香り。
素晴らしい熟成感と強い果実味。
ミネラル感が全体を引き締め、強いがバランスの良いボディを構成している。
セパージュは複雑で、マカブー40%、グルナッシュ・ブラン25%、グルナッシュ・グリ10%、シャルドネ15%、カリニャン・ブラン10%。
鮃、ブールブランソース。
肉厚の鮃が使われているが、この写真では鮃の身がよく見えない。
手前は黒トリュフをまぶした栗とアーモンドのスライス。
奧は衣にカレー粉が入ったアスパラのフリット。
赤ワインも素晴らしいものが出された。
ローヌのドメーヌ・アラン・ガルティが造る、コート・デュ・ヴィヴァレ、2010年。
アラン・ガルティはコート・デュ・ヴィヴァレの天才と称される造り手。
ヴィヴァレのA.O.C.認定は1999年だが、アラン・ガルティのワインだけは1995年から認定されていた。
素晴らしいぶどうの凝縮感。
カシス、プルーン、ブラックベリー等の黒い果実、そしてレーズン、ハーブ、スパイシーな香辛料のニュアンス。
強いが洗練されたボディだ。
ぶどう栽培はビオディナミで、セパージュはシラー70%、グルナッシュ30%。
国産黒毛和牛、ベアルネーズソース。
火入れが素晴らしく、文句なく美味い。
メイン・ダイニングの奥にあるウォークイン・セラーを見せていただいた。
棚が細かく仕切られているのでワインのどんなワインがあるのか見えないが、シャンベルタン・グランクリュやヴォーヌ・ロマネなど、ブルゴーニュやボルドーの銘醸が収められている。
館内に多くの絵画が飾られているのがここの良いところ。
左はベルナール・ビュフェ、右はマリー・ローランサン。
シャルル・シャプランの代表作のひとつ、”A Song Silenced ”。
これはお店の資産かと思ったら、平松シェフ個人が保有する絵画なのだそうだ。
西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で友人達と過ごす楽しい夜は続きます。