昨年10月のこと、彼女と丸ビルのレストランで待ち合わせ。
開店時間より早く着いたので、丸ビル35階の展望スペースで時間を潰す。
夜の訪れが早くなり、丸の内にも皇居にも照明が明るく輝く。
さて、そろそろ開店時間だ。
赤い壁に浮かぶ顔は、ここ『サンス・エ・サヴール』の南仏モンパルナスにある本店、三ツ星レストランの『ル・ダルジャン・デ・サンス』のオーナー・シェフ、ジャック&ローラン・プルセル兄弟。
開店と同時に入店したので客はほとんどいないが、20~30分もすると満席となる。
窓の外には、丸の内の高層ビル群。
テーブルの上には何時ものセッティング。
このワイングラスやカトラリーを見ると、それだけで今夜の料理への期待が膨らむ。
テーブルの上には花に加え、栗のイガ。
彼女が到着し、席を立って迎える。
石井支配人がさっと現れ、スパークリングワインを注いでくれる。
今夜のスパークリングは、定番のワイン。
ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、プール・ヒラマツ、2016年。
ヴーヴ・アンバルのミレジム、2016年は本当に美味い。
色合いは濃い黄金色。
果実の凝縮感が素晴らしく、飲み飽きしない辛口。
秋を楽しむ一口アミューズ。
豚足のクロケット。
砂肝と洋梨のクリーム、黒ゴマのチップ添え。
豚足のクロケットは空いたお腹を喜ばせてくれる。
砂肝に洋梨のクリームとは面白い組み合わせ。
クレマンにも良く合って美味い。
クレマンが美味しいのでどんどんグラスが進み、これで4杯目。
福井県産栗南瓜のロワイヤル、山梨県丹波山村原木舞茸・セップ茸のヴルーテ、舞茸のフリット、トリュフとコンテチーズのクロックムッシュー。
合わせる白ワインは、ロワールのアルフォンス・メロが造る、サンセール、レ・ロマネ、2007年。
アルフォンス・メロはサンセール最大の造り手で、19代続く名門。
グレープフルーツやレモンの爽やかな香り。
深い熟成感、果実の凝縮感、そして酸とミネラルのバランスが素晴らしい。
2007年VTがまだあることは嬉しい驚き。
福井県産栗南瓜のロワイヤル。
添えられている花は、ホトトギス。
ホトトギスは日本原産の野草だ。
泡の下には、ふわふわのロワイヤル。
舞茸とセップ茸のヴルーテが入っているので、茸の香りが素晴らしい。
口の中でとろける美味しさ。
舞茸のフリット。
山梨県丹波山村の舞茸は、一抱えもある大きな肉厚の舞茸なのだそうだ。
トリュフとコンテチーズのクロックムッシュー。
トリュフの香りが食欲を誘う。
丸の内のフレンチの名店、『サンス・エ・サヴール』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。