7月のある休日の午後、彼女と”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で待ち合わせ。
都内の新規感染者数が増えたためディナーを控えることにし、ランチに切り替えたのだ。
休日のお昼過ぎだというのに、何時もは人が溢れる松屋銀座に通じる地下通路にも歩行者はまばら。
松屋銀座ではミッフィー展が開催されている。
銀座通りは歩行者天国。
雨は上がったが、歩行者の数はとても少ない。
久し振りのルイ・ヴィトンのショーウインドー。
待ち合わせの時間が近付いているのでゆっくり観る暇がないのが残念。
予約時間ギリギリに『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』に到着。
竹内支配人が「お連れ様はまだです」と告げてくれ、ホッとする。
四人用テーブルに斜向かいにテーブルセッティングがされている。
席に着くと、目の前には有楽町マルイと東京交通会館。
右横を見ないと彼女の顔を見ることができないのはちょっと残念。
このナプキンを見ると、お腹が空いてくる。
まるでパブロフの犬だ。
テーブルの横にはマスクケース。
この中にマスクを収め、彼女を待つ。
彼女が「お待たせ~」の声と共に颯爽と現れ、席を立って迎える。
最初のワインは、彼女が好きな銘柄のスパークリング。
ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ロゼ、ミレジム、2016年。
ボトルは撮影忘れのため、飲み干した後のもの。
ヴーヴ・アンバルのロゼは一昨年まではNVだった。
それが昨年リリースされたものからミレジムとなり、2016年がファースト・ヴィンテージ。
何時もはディナーに飲んでおり、昼に明るい場所で見るのは初めてかもしれない。
思ったよりロゼの色が濃いのに驚いた。
確かにミレジムになってから果実味がより強くなり、美味しくなっている。
バゲットも届く。
フランスから生地を冷凍で空輸し、ここで焼いている。
バターも二人に一つではなく、ひとりずつ半分に切られて出された。
これも感染対策のひとつ。
リヨンのスペシャリティ、ピスタチオ入りソーセージのブリオッシュ、ソースペリグー、小さなサラダを添えて。
ソシソン・ブリオッシュはリヨンの名物料理。
ソシソンはピスタチオが入った豚肉のソーセージ。
ソースペリグーとの相性は抜群。
ソースペリグーは、牛肉の煮汁にマディラ酒を加えて煮詰め、みじん切りにしたトリュフを加えたもの。
ヴーヴ・アンバルのロゼとも良く合う。
白ワインも彼女が好きな銘柄。
アルフォンス・メロが造る、レ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、シャルドネ、2011年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門。
昨年までは2009年VTだったが、今年に入り2011年VTに代わった。
といっても既に9年間近い熟成を経て、色合いもかなり濃くなっている。
熟成から来る微かなエステル香、凝縮された果実味、古酒の風格を備えた素晴らしいシャルドネだ。
リヨン風鱸と帆立貝のクネル、ほうれん草のエチュベ、ソースアメリケーヌ。
クネルはリヨンの名物料理。
リヨンではカワカマスで作られるが、日本には生息しない魚なので、代わりに鱸が使われている。
クネルの上に乗っているのは小海老。
オマール海老で作られたアメリケーヌソースの香りが素晴らしい。
鱸のすり身で作られたクネルはフワフワで柔らかく、アメリケーヌソースと良く合って美味い。
クネルにはレ・ペニタンだけでなく、クレマンのロゼもさらに注いでもらい、並行飲みで合わせる。
これでクレマンのボトルを飲み干してしまった。
彼女と過ごす”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』の楽しく美味しいランチは続きます。