新橋のワインバー、『スタンド・バイ・ミー』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
ここの北山シェフと高橋スーシェフは六本木のフレンチの名店、『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』出身。
フレンチと和食の融合の料理を楽しむことが出来るお店なのだ。
マルティーニ、ブリュットを飲み干すと、赤ワインを抜栓。
チリのドメーヌ・デ・グラスが造る、エステート、カベルネ・ソーヴィニヨン、2020年。
ドメーヌ・デ・グラスは”クール・クライメット”でのブルゴーニュやボルドーに比肩しうるワイン造りを行う、評価の高いワイナリー。
これはセントラル・ヴァレーの自社畑の選別されたぶどうを用いて作られた、エステート・シリーズ。
カシスやブラックベリー、そして仄かなバニラの香り。
黒果実の凝縮感、ピーマンやスミレのニュアンス、適度な酸味とタンニン。
バランスの良い洗練されたミディアム・ボディだ。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン100%で、ぶどう栽培はリュット・レゾネ。
マグロのタルタル。
なかなか美しいヴィジュアル。
添えられているのはレンコンチップ。
二人に取り分けるのは私の役目。
マグロのタルタルは二層構造で、間には博多ねぎ。
高橋スーシェフが大きなストウブ鍋の蓋を取り、中身を器に盛り始めた。
届いたのは、和牛すじ煮込み。
これはまさに居酒屋料理。
でもクリームチーズが添えられると、少しフレンチの雰囲気が出る。
これも二人に取り分け。
牛すじの他に、レンコンやダイコンが入っている。
ここには、北山シェフと高橋スーシェフの料理以外に、”トップシェフレシピ”がある。
トップシェフとは、ミシュラン一つ星フレンチ『CRAFTALE』の大土橋シェフ、会員制のイノベーティブ・フレンチ『TREIS』の河島シェフ、アメリカン・グリル『The Burn』の米澤シェフ、ミシュラン一つ星中華『慈華(itsuka)』の田村シェフ。
”トップシェフレシピ”から選んだのは、『TREIS』の河島シェフのレシピによる、牛ほろほろ肉。
振り掛けられているのは、抹茶。
ソースまで食べきるために、パンも注文。
熱々で届く。
フォン・ド・ヴォーとブランデーでじっくりと煮込まれた牛ほほ肉は口の中でとろける柔らかさ。
煮詰めたソースもとても美味い。
食べ進むと、驚いたことに肉の中から餅が現れた。
牛ほほ肉の煮込みに抹茶と餅を使うとは、まさにフレンチと和の融合。
トップシェフレシピからもう一品選ぶ。
『慈華(itsuka)』の田村シェフのレシピによる、海鮮麻婆春雨。
ミシュラン一つ星の中華料理店のレシピだ。
これも私が取り分け。
エビ、イカ、ホタテがたっぷり入り、豆板醤が効いたピリ辛。
これはこれで美味しいが、赤ワインには合わなかった。
デセールは、クラシックプリン。
シロップ漬けのサクランボがとても懐かしい雰囲気。
食べてみると、とても濃厚な味わい。
これぞまさにプリンという美味しさ。
ヴォリュームがあり、もうお腹は満杯。
残念ながらコーヒーは無い。
代わりに、ほうじ茶を出してくれた。
北山シェフ、高橋スーシェフに今夜の礼を述べ、店をあとにする。
気軽なお店だが、料理はとても美味い。
カウンターには女性の一人客が多かったのは、良いお店の証拠。
新橋のワインバー、『スタンド・バイ・ミー』で彼女と過ごす、美味しく楽しい夜でした。