久し振りに会おうということになったが、夕食昼食共にお互い忙しく、スケジュールが合わない。
そこで宿泊先で朝食を食べながら話そうという事になった。
上智大学の正門を過ぎる。
右の土手の桜も、もうすぐ花が開くのだろう。
朝まだ早い道には人影はまばら。
そう、上智大学の英語名は、ソフィア・ユニバーシティなのだ。
以前は木造の奥ゆかしい建物だったが、今はビルになってしまった。
この場所は、江戸時代に尾張名古屋藩徳川家の麹町邸の有ったところ。
『福田屋』の名前の隣には、尾張名古屋班屋敷跡の石碑が建っている。
立札には、尾張名古屋藩の説明が日本語と英語で書かれている。
以前は『福田屋』と地続きの歴史的木造建築だったが、ここもビルに建てなおされてしまった。
しかし古い木造の建物は渋谷南平台に移築され、今も新日鐵住金の迎賓館として使用されている。
ビルの上層階に今の新日鐵住金の紀尾井の迎賓館である『紀尾井倶楽部』があり、ビルの下層階は『紀尾井ホール』となっている。
『紀尾井倶楽部』の入り口の隣には、『紀尾井ホール』のソフィア通り側の入り口がある。
長年にわたる新日鐵の音楽活動は有名で、若手アーティストの支援活動や、クラシックコンサートの演奏会にはファンが多い。
このホールが完成するまでは『日比谷公会堂』で定期演奏会が開かれていた。
私も学生時代には毎回聴きに行っていたことを思い出す。
『紀尾井ホール』と向かい合い場所に、今朝の目的地、『ホテル・ニューオータニ』がある。
米国人の友人はここを定宿としているので、ここで一緒に飲むことが多い。
この周辺にあった紀伊徳川家、尾張徳川家、井伊家の頭文字を取り、明治5年に紀尾井町と名付けられたのだ。
今月はどんな生花が迎えてくれるのか、何時も楽しみにしている。
今月は、燃え立つような黄色のレンギョウの花。
いち早く春を告げる花である。
通路の横には、庭園を見渡せる朝食レストランがある。
多くの外国人で賑わっているが、今朝の目的の場所はここではない。
店は、本館とタワーを結ぶ通路のタワー側突き当りの庭側にある。
店に入ると、一番奥の部屋のテーブルに案内される。
赤い太鼓橋に水量豊かな滝。
これだけの雄大な庭を持つホテルは、東京でもここだけだ。
私も週末に何度かここに泊まって、のんびりしたことがある。
と言っても、たいていは好きなワインを持ち込んでガンガン飲んでいるのが実情だ。
家では何時もパンとコーヒーか紅茶なのだが、ホテルでの朝食では和食を食べることが多い。
今回は米国人の友人の希望で和食の『なだ万』を選んだ。
和食の後でも朝のコーヒーは美味い。
友人と過ごす、『ホテル・ニューオータニ』での楽しい朝食でした。