博多の警固にあるフレンチ・レストラン、『ル・フラマンローズ・アムリタ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
私たちの好みを知ってくれている店は貴重だ。
何も言わなくても、好みのシャンパーニュを選んでくれる。
シャルル・エドシック、ブリュット・リゼルヴァ。
今夜は彼女も飲むスピードが速いようだ。
ここから『グランド・ハイアット』までは車でほんの数分。
帰りが楽だと、リラックスして飲むことができるのだろう。
そして知っていないと決して来ることが出来ない隠れ家のお店と言う雰囲気が、暖かな安心感をもたらしてくれるのだ。
アミューズのパテ。
彼女との素敵な雰囲気を邪魔しないよう急いで撮影。
すると、ボケてしまった。
彼女に、「今夜料理の写真を撮って良いかい?」と聞き、「良いわよ」と返事をもらったのに、これではブログを見て彼女に笑われてしまう。
あれ、これはイタリアンのようだ。
でも、フリウリのサンダニエリは大好きなので迷わず注文。
フリウリの州都、トリエステに行った時に地元の人に「美味しいよ」と言われて食べて以来、ファンになってしまった。
鹿肉のパテ。
冬はジビエが美味い。
特に柔らかい赤身の鹿肉は大好きだ。
以前ある人に、「肉は何が好きですか?」と聞かれ、「鹿、鳩、雉、それに猪も好きです」驚かれたことがある。
カンガルーも好きだと言わなくて良かったと思っている。
暖かいパンが出された。
パンとワインは最良の伴侶。
美味しいパンがあればそれだけでワインを楽しむことが出来る。
リードヴォー。
私がリードヴォーの美味しさを知ったのは、八重洲にあった伝説的欧州料理店、『むら八』。
乳飲み仔牛にのみある特別な部位の美味しさに魅了されてしまった。
シャンパーニュを飲み干してしまったので、選んであったブルゴーニュの赤ワインを出してもらう。
ドメーヌ・ダニエル・リヨン、ニュイ・サンジョルジュ、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2009年。
ニュイ・サン・ジョルジュの名手と言われる、ダニエル・リオンの2009年。
ブルゴーニュの2009年は好きなヴィンテージで、2009年のフレデリック・マニャン、シャルロパン・パリゾ、フレデリック・コサール、バロ・ミロ等の造り手のブル赤をいっぱい買い込んだことがある。
このドメーヌは1955年にダニエル・リヨンによって設立され、今は息子たちの代となっている。
最初は2haだった畑も、今はニュイ・サン・ジョルジュ、ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニーに合わせて18haと広がっている。
ぶどう栽培はファソン・アンテグレ(総合農法)というもので、リュット・リゾネよりもビオロジックに近く、除草剤、殺虫剤は一切使用していない。
樹齢30~50年のぶどうの果実を使用し、オーク樽での熟成期間は15か月。
新樽比率は50%。
果実味と果実の凝縮感、そして熟成感のバランスが良く、まだまだ熟成に耐えるポテンシャルを持っている。
彼女も好きなタイプのブル赤に満足したようで、「やっぱりダニエル・リヨンのニュイ・サン・ジョルジュは美味しいわね」とのこと。
博多の警固にある隠れ家フレンチ、『ル・フラマンローズ・アムリタ』で彼女と過ごす素敵な夜は、まだ続きます。